サッカー

【UCL準決勝1st Leg】トッテナム VS アヤックスの戦術解説

今回はUEFAチャンピオンズリーグ準決勝ファーストレグのトッテナム対アヤックスの戦術解説を行っていきます。


【画像出典】WhoScored.com

結果から言いますとこちらの試合、1-0でアヤックスが勝利しています。

またアヤックスがやりやがった…

そう思った方も多いと思います。ですが、僕から言わせてもらえばアヤックス勝利は妥当な結果です。その理由については以前アップした【UCL】トッテナムVSアヤックスの見どころ解説で紹介していますので、そちらも合わせて読んでみてください。

それでは早速、両チームの戦術情報をまとめていきます。

主力を欠いたトッテナム。勝負は2nd Leg!

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Work to do in the second leg… #COYS #THFC #UCL

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まず言っておかなければならないのが、トッテナムはこの試合、エースのハリー・ケインとソン・フンミンが欠場したということ。この2人の不在はトッテナムからすると大きな痛手だったと思います。
さらにシソコはケガから復帰したばかりということでベンチからのスタート。また試合中にもヴェルトンゲンが頭部を負傷したりとなかなかベストなメンバーで挑むことができませんでした。

そんな中トッテナムはどういった戦術を遂行してきたのか。前後半に分けて確認していきます。

前半のトッテナム

攻撃面ではジョレンテのポストプレーからゲームを組み立てようと志すも相手のプレスを受け、すぐさまボールをロストするシーンが多く見受けられました。特に立ち上がりはボールをすぐさま回収されてなかなか攻めに転じることができていませんでした。
その立ち上がりがうまくいかなかった要因として、ワニヤマのワンボランチがあげられます。本来であれば、ワニヤマとシソコのダブルボランチで中央を固めるというのがトッテナムのかたちですが、この試合ケガ明けのシソコはベンチスタートでしたので守備的MFはワニヤマだけです。
ただ、守備時にはデレアリが下がってダブルボランチを組むといったフォーメーションになっていました。しかし、本来攻撃で力を発揮する選手が守備のタスクもバリバリこなさなければならないということになりますと攻撃になかなか移行しづらい部分があります。主力FWを欠いた試合で尚且つ敵陣で脅威になる選手が守備にも集中しなければならない状況だったのでそりゃうまくいきませんわ、というわけです。
ですが前半38分、頭部を負傷したヴェルトンゲンに代わってピッチに入ったムサ・シソコがワニヤマとダブルボランチを組んだあたりから徐々にチャンスが増えていきます。それも攻撃的な選手がより攻撃に専念できるようになったからです。

守備面では先ほども紹介したようにワニヤマのワンボランチがアヤックスの選手に自由を与えていました。得点シーンなんかもボックス外にいたツィエクのアシストからファンデビークのゴールが生まれています。このシーンはデレアリも下がって守備をしていましたが、素早くパスを回されてフリーでツィエクにボールを持たせています。
攻撃がうまくいかずボールを回収され、自陣で守ることが多かったトッテナムは、中央は固めておきたかったところ。しかし、ケガ人が多かっただけにポチェッティーノ監督からすれば苦肉の策だったと思います。

後半のトッテナム

前半38分にシソコが投入されたあたりからトッテナムのチャンスが増えていきました。後半もその状態が続きます。
そんな中、後半からジョレンテの高さを生かした攻め方が多くなった印象があります。ジョレンテのポストプレーからチャンスを作ったり、打点の高いヘッドをを狙ったり。しかし、チャンスをものにできず、後半も無得点に終わります。

守備面では前線からプレスをかけに行くシーンが多くなりました。敵陣、もしくは自陣で奪って、ジョレンテのポストプレーから攻撃に移っていました。また、後半のトッテナムは敵陣でボールを持つ時間が多かったためその分カウンターで決定機を作られるシーンが多く見受けられました。ダビドネレスのポスト直撃のシュートシーンも攻めあがっていたダニーローズの裏を突いた攻撃から生まれたチャンスです。
相手のカウンターから決定的なチャンスは作られたものの、後半を無得点で抑えたことでセカンドレグにつながる最低限の仕事は遂行できたのではないか。そう思います。

1st Legで貯金を貯めておきたかったアヤックス

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WHAT A STAAAAAART! 😳 #UCL #totaja

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アヤックスはこの試合、勝利することを前提にどこまで得点差を開けるか。そこが決勝進出へのポイントとなります。というのも先ほども紹介しましたが、トッテナムはケイン、ソン、シソコ(ベンチスタート)など主力を欠いた状態だったからです。アヤックスは万全の状態で戦える状況であっただけにファーストレグは勝って、次の試合で逃げ切るかたちを想像していたと思います。

セカンドレグではソンフンミンが出てきますし、もしかするとケインも間に合わせてくるかも?なんて情報もあります。この2人がセカンドレグに出てくるようなことがあれば戦術の幅も広がりますし、ゴール前での脅威が格段に増します。
そのため、アヤックスは何としてでもリードを広げておかなければならない。ファーストレグはそういった試合だったのです。

それでは以下からこの試合のアヤックスの戦術を解説していきます。

アヤックスの前半

前半のアヤックスは敵陣でボールを持ちながら攻撃していました。支配率も59%(トッテナム41%)とトッテナムを上回っています。
またアヤックスは左右で開いている選手にボールを振って、サイドから崩す動きが多くみられました。特にダビドネレスが起点とする攻撃が多く、前半14分の得点シーンもネレスへのパスから中央に入ってそこからゴールが生まれています。
それにしてもファンデビークの裏を狙う動きはめちゃくちゃうまいですよね。アシストしたツィエクのパスを出すタイミングも上手でしたが、ファンデビークのオフサイドラインぎりぎりを狙った裏抜けはユベントス戦を彷彿させる、そんなゴールでした。

守備面では自陣に入ってきたトッテナムの選手に対しすぐさまプレスをかけにいき、うまいことボールを回収できていました。支配率(アヤックス59%トッテナム41%)からもわかる通り、相手の攻撃をうまいこと阻止できています。
アヤックスの守備がうまくいっていたことは確かなのですが、トッテナムの攻撃陣がうまいこと攻撃に移行できていなかったのが大きかったです。そんな中、シソコが投入されてからは中央が固まったため、攻撃すべき選手が攻撃に集中できるようなり、トッテナムも徐々にチャンスが生まれるようになっています。

後半のアヤックス

前半はボールを支配することが多かったですが、後半はトッテナムにボールを持たせながら、隙あらばボールを奪い、そこからカウンターで攻め入るシーンが多かったです。後半77分のポスト直撃のシュートシーンはダニーローズの上がった裏を狙った素早いカウンターで決定的な場面でした。セカンドレグに向けてリードを広げておきたかったアヤックスからするともう1点、取っておきたかったと思いますが、後半は無得点で終わってしまいます。

守備面では4バックが中央を固め、ダブルボランチがバイタルエリアを守るというかたちになっていました。ウイングの選手もトッテナムのサイドバックの選手に合わせて下がっていました。
この守備体系から読み取れることとして、アヤックスは前半にとった1点を守り抜き、最小限の手数で追加点が取れればラッキーという感じだったと思います。
結果的に得点することはできませんでしたが、後半も無失点で抑え、勝利してセカンドレグを迎えることになりました。アヤックス側からすると最低限の仕事はできた、そういった感じだと思います。

まとめ

この試合はアヤックスが勝利を収めましたが、180分ある内の90分間が終わっただけなのでまだ何が起こるか分かりません。特にトッテナムはファーストレグよりも確実にパワーアップしてくるでしょうから、セカンドレグは見どころ満載です。
アヤックスは1-0でリードしているものの、トッテナムの主力がそろったセカンドレグでこのまま逃げ切れるとは思いません。その点でどういった戦術を用意してくるのかを注目してみるのも面白いかもしれません。

セカンドレグは日本時間5月8日の午前4時に行われます。日本に住んでいる人からするとフルタイムで見るのが難しい時間帯となっていますが、DAZNであれば見逃し配信を見ることができますので、まだ登録していない方はとりあえず1か月の無料お試し期間で利用してみてはいかがでしょうか。

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