今回はランパード監督率いるチェルシーの 4-2-3-1 攻撃戦術を解説していきます。
ちなみに今回チェルシーの戦術を分析する上で参考にした試合は、明治安田生命Jリーグワールドチャレンジ・川崎フロンターレ戦です。
※訂正:左SBのマルコス・アロンソは背番号30ではなく3でした。
両チームのスターティングメンバーは上の画像の通りです。
カンテやケパといった主力メンバーが怪我や病気で出場できなかったチェルシー。この試合はプレシーズンマッチということで様々な選手を試していました。
そんな中、ランパード監督はどのような戦術で戦っていたのか。このことについて解説していきますので興味がある方はチェックしてみてください。
チーム全体の戦術
川崎フロンターレ戦におけるチーム全体の基本的な攻撃戦術は以下の通りです。
・中盤で数的優位な状況を作り中央から攻め上がる。
・中央に相手選手が集中している場合はサイドから前進する。
川崎フロンターレ戦では基本的にセンターフォワードとトップ下、ウイングが中に入り中央で数的優位を形成して中央から攻め上がっていました。
そうしますと相手選手も中央のレーンに集まり数的優位を形成しようとするためサイドが空きます。そこでサイドバックの選手が高い位置でボールをもらいサイドからの攻撃を展開していました。
基本数的優位を形成した中央からの攻撃でサイドが空いた場合はサイド攻撃という感じです。
続いてはランパード・チェルシーの 4-2-3-1 戦術を「ディフェンス」「ミットフィルダー」「フォワード」のポジションごとに分けて紹介していきます。
それではまず「ディフェンダー」から見ていきましょう。
ディフェンダーの攻撃戦術
個人戦術 | |
---|---|
CB | 後方でパスコースを作り、攻撃のサポートする。 |
SB | ビルドアップの時はCBに対してパスコース作る。 サイドハーフとのコンビネーションでサイドを崩す。 1人のSBが上がった場合、もう一人のSBは後方に留まる。 |
センターバックはサイドバックやボランチの選手にパスを出しつつ、後方でパスコースを確保するという役割を担っていました。
中でもダビド・ルイスはキック精度が高い選手ですので、高い位置をとるサイドバックや前線の選手に対してロングパスを供給する役割も果たしていました。
サイドバックはビルドアップの際にセンターバックにパスコースを与えつつ、敵陣ではウイングとのコンビネーションでサイドを崩していました。
下の画像は右サイドバックのアスピリクエタと右ウイングのペドロのコンビネーションでサイドを崩したシーンです。
また、1人のサイドバックが高いポジションを取った場合、もう1人のサイドバックは後方に留まるというかたちをとっていました。
下の画像は右サイドバックのザッパコスタが高い位置をとり、エメルソンにとどまっているシーンです。このシーンの数秒後にはダビド・ルイスからザッパコスタにロングボールが渡り、サイドに流れたパルマからのクロスにジルーがヘディングで合わせます。シュートの威力が弱かったためキーパーに止められましたが、あと一歩といった攻撃でした。
ミットフィルダーの攻撃戦術
個人戦術 | |
---|---|
ボランチ | 中央のレーンでパスコースを確保する。 |
WG | SBが高い位置をとった場合は内側にポジションを取る。 SBとのコンビネーションでサイドを崩す。 |
トップ下 | バイタルエリアに構え、前線の選手とのコンビネーションでディフェンスラインの突破を図る。 |
ボランチの選手は中央でセンターバックの選手にパスコースを与えつつ、前線の選手に対するサポートも後方で行います。
ウイングは基本サイドにポジションを取り、サイドバックが高い位置をとった場合はバイタルエリアに構えます。
川崎フロンターレ戦では29分55秒のシーンのように内側でポジションを取るシーンが多った印象があります。
トップ下の選手は基本的にバイタルエリアにポジションを取ります。そこでセンターフォワードやウイングの選手とコンビネーションを図って中央、サイドの突破を試みる動きが見られました。
下の画像の16分のシーンは見づらくて分かりにくいと思いますが、トップ下のマウントが中央の狭いスペースでパスをつなぎ相手ディフェンダーを混乱させシュートするまでに至っています。
フォワードの攻撃戦術
個人戦術 | |
---|---|
CF | 最大限に深い位置でポジションを取る。 ディフェンスラインの背後を狙う動きを見せる。 |
センターフォワードは基本、最大限に深い位置でポジションを取ります。後半から出場したジルーなんかは深い位置で起点を作り、チャンスシーンを演出していました。
また、前半までプレーしていたバチュアイは相手ディフェンダーの背後を狙う動きも見せていました。相手ディフェンダーの背後へのパスはジョルジーニョが得意としているため、バチュアイとジョルジーニョの呼吸が合うようになれば得点を狙える気がしました。
まとめ
ここまでランパード・チェルシーの 4-2-3-1 攻撃戦術を解説しましたがいかがでしたでしょうか。
今回分析した川崎フロンターレ戦では結果として1-0で敗北してしまいました。この試合を見た率直な感想を申し上げますと、戦術面での曖昧さが目立つシーンが多かった気がします。スペースの使い方の共有が選手間でできていなかったり、ポジショニングにも不明確な部分がある点が見ていて感じました。
戦術面に関してはランパード監督が就任して1ヵ月もたっていないということもありましたし、まだシーズン前の準備段階ということですので今回の敗戦は大目に見て今後の修正に期待しましょう。
今回はチェルシーファンとして個人的にランパード監督がどのようなサッカーをするのか、気になったため分析して記事にしてみました。今後もランパード監督率いるチェルシーには注目していきますので、また変化などがありましたら記事にしていこうと思います。
2019-20シーズンのチェルシーについて興味がある方は今後もチェックしてみてください。