今回はポチェッティーノ・トッテナムの「4-2-3-1」の攻撃戦術を解説していきます。ちなみにトッテナムを分析する上で、参考にした試合はチャンピオンズリーグ決勝戦のリバプールとの戦いです。
【画像出典】Whoscored.com
ちなみにこの試合は0-2でリバプールに負けています。結果はさておき、トッテナムの4-2-3-1の基本的な戦術をまとめていきますので興味がある方はチェックしてみてください。
ポジションごとの戦術
ここからはポチェッティーノ・トッテナムの戦術を「ディフェンス」「ミットフィルダー」「フォワード」のポジションごとに分けて紹介していきます。
それではまず「ディフェンダー」から見ていきましょう。
ディフェンダーの攻撃戦術
個人戦術 | |
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CB | 幅を取ってパスコースを確保。 |
LSB | ビルドアップの際は幅と深さを取ってパスコースを確保。 LMFソンにスペースを与えるため基本後方にとどまる。 |
RSB | ビルドアップの際は幅と深さを取ってパスコースを確保。 ミットフィールドではLMFソンと高い位置で幅を取る。 |
トッテナムは基本、中盤を経由したビルドアップを試みるチームですので後方の選手は深さと幅を取ってパスをつなぎ前進します。
ただ、チャンピオンズリーグ決勝ではリバプールに前線から激しいプレスを仕掛けられ、ビルドアップが上手く機能していなかった印象があります。前半の終盤から後半にかけては中盤を経由したビルドアップをあきらめ、前線にロングボールを蹴り、こぼれ球を回収しようという狙いが見受けられました。
上手くいかない中盤を経由したビルドアップ↓
基本は中盤を経由したビルドアップですが、うまくいかない場合はロングボール戦術に切り替えるといった感じですね。
ミットフィルダーの攻撃戦術
個人戦術 | |
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ボランチ | 中央のレーンでパスコースを確保。 ミットフィールドではトリッピアーが上がったスペースをカバー。 |
LMF | 前線でサイドに張って幅を取る。 |
RMF | 中に入ってデレ・アリと2シャドーを形成。 バイタルエリアにポジションを取る。 |
トップ下 | バイタルエリアで構える。 エリクセンと2シャドーを形成。 |
ビルドアップの際はボランチの選手が中央でパスコースをつくり、ボールを受けてそこから攻撃を展開するシーンが目立ちました。
それからミットフィールドまでボールを持ちこんだら、右サイドバックのトリッピアーが高い位置にポジションを取り、左サイドハーフのソンとサイドで幅を取ります。また、トリッピアーが高い位置にポジションを取る際は右サイドバックの位置にボランチの選手がついてスペースを埋めています。
エリクセンとデレ・アリは2シャドーのようなかたちでポジションを取り、相手のバイタルエリアに構えます。リバプール戦ではアンカーの脇にポジションを取って、そこでボールを受けて攻撃を展開しようという狙いが見受けられました。
フォワードの攻撃戦術
個人戦術 | |
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センターフォワード | 最大限に高いポジションを取り、プレーエリアに深さを作る。 |
ワントップのケインはプレーエリアに深さを作るため相手ディフェンスラインぎりぎりにポジションを取ります。
ディフェンスラインぎりぎりにポジションを取ることで相手センターバックも不用意にポジションを離れられなくなるため、中盤にスペースが作りやすくなります。そこで中盤とセンターバックの間にエリクセンとデレ・アリがポジションを取り、攻撃を組み立てようとしていたのがトッテナムの狙いです。
また、リバプール戦では後半の終盤から前線で起点となるジョレンテを投入し、ロングボールのこぼれ球を拾って攻撃を展開しようというシーンが多くなります。
ですが、リバプール戦ではジョレンテの周りにリバプールの選手が密集しこぼれ球を拾われています。その点でクロップ率いるリバプールはロングボール戦術の対応策をしっかり練ってきていたことがうかがえます。
まとめ
今回はトッテナムの4-2-3-1攻撃戦術を解説してみました。
トッテナムは基本的に中盤を経由したビルドアップを試みるチームです。幅と深さを十分にとりピッチ全体を広く使って中央で攻撃を組み立てます。またロングボール戦術も1つのオプションとして持っています。リバプール戦でも試合終盤にジョレンテを投入しポストプレーのこぼれ球から攻撃を展開しようという狙いが見受けられました。
2018-19シーズンは補強ゼロでやってきたトッテナムですが、選手のやりくりにはかなり苦労したと思います。そんな中でもプレミアリーグではCL出場権(4位)を獲得し、CLでは決勝まで勝ち上がり大きな躍進を遂げました。その点でポチェッティーノ監督の手腕は高く評価されても良いと思いますし、戦力が拡充する来シーズンはどんなチームを作るのか楽しみなところです。