クラブ解説

久保建英所属『RCDマジョルカ』のメンバー&注目ポイントを徹底解説【2019-20シーズン注目クラブ~日本人選手所属クラブ編~】

2019年8月、レアル・マドリードに所属する日本期待の若手プレイヤー・久保建英は1年間のレンタル移籍ということで『RCDマジョルカ』への加入が決まりました。そこで、マジョルカってどんなチームなんだろ?と思った方も多いのではないでしょうか。

実はこのクラブ、2018-19シーズンの1部昇格プレーオフを制し、6シーズンぶりにラ・リーガに復帰した昇格チームです。
日本では久保建英きっかけで名前が知られるようになりましたが、チームの特長については分からない方が多いと思います。

そこで今回はRCDマジョルカの夏の補強&放出とメンバー、注目ポイントなどを紹介していきます。
興味がある方はチェックしてみてください。

RCDマジョルカのプロフィール

クラブ名:レアル・クルブ・デポルティーボ・マジョルカSAD

創設年:1916年

オーナー:ロバート・サーバー&スティーブ・ナッシュ(共同オーナー)

所属リーグ:ラ・リーガ

ホームスタジアム:エスタディ・デ・ソン・モイシュ

リーグ戦成績(2018-19→セグンダ・ディビシオン):5位

創設されたのは1916年で、100年以上続く歴史あるクラブです。創設当初は1部リーグになかなか昇格できないクラブでしたが、1990年代後半に黄金期を迎え、1部リーグで上位に食い込んだり、2002-03シーズンのコパ・デル・レイ(カップ戦)では優勝したりと強豪クラブの仲間入りを果たします。

しかし、2008年にイングランドの投資家ポール・デヴィッドソンがオーナーになってからクラブは低迷し、2010年には経営破綻が発表されます
その後、元NBAプレイヤーのスティーブ・ナッシュとフェニックス・サンズというNBAチームのオーナーであるロバート・サーバーがマジョルカのオーナーに就任。

一時は3部リーグまで降格したものの(2017-18)、そこから立て直して2シーズン後(2019-20)には1部リーグ昇格を果たしました。


2019年夏の移籍市場

IN
名前ポジション年齢前所属クラブ移籍金
アンテ・ブディミルFW(CF)27クトローネ(イタリア2部)220万ユーロ
ヤニス・サリビュルFW(RWG)28ギャンガン(フランス2部)200万ユーロ
マルティン・ヴァリエントDF(CB)23キエーヴォ・ヴェローナ(イタリア2部)150万ユーロ
イゴール・ズラタノヴィッチFW(CF)21ラドニク・スルドゥリツァ(セルビア1部)130万ユーロ
パブロ・チャバリアFW(CF)31スタッド・ランス(フランス1部)フリートランスファー
アレイクス・フェバスMF(CM)23レアル・マドリードB(スペイン3部)フリートランスファー
アレクサンダル・トライコフスキFW(LWG)26パレルモ(イタリア4部)フリートランスファー
アレックス・アレグリアFW(CF)26レアル・ベティス(スペイン1部)フリートランスファー
ジョゼップ・セニェMF(CAM)27クルトゥラル・レオネサ(スペイン3部)フリートランスファー
アレクサンダル・セドラルDF(CB)27ピアスト・グリヴィツェ(ポーランド1部)フリートランスファー
久保建英MF(CAM)18レアル・マドリード(スペイン1部)レンタル
クチョ・エルナンデスFW(CF)20ワトフォード(イングランド1部)レンタル
ファブリGK31フルハム(イングランド2部)レンタル
ルモールDF(LSB)22スポルティングCP(ポルトガル1部)レンタル
ババ・ラーマンDF(LSB)25チェルシー(イングランド1部)レンタル
OUT
名前ポジション年齢移籍先移籍金
フェルナンド・カノMF(CAM)24レリダ・エスポルティウ(スペイン3部)フリートランスファー
サルバ・ルイスDF(LSB)24バレンシア(スペイン1部)フリートランスファー
アレハンドロ・ファウリンFW(CF)32マルベーリャ(スペイン3部)フリートランスファー
ポル・ロイジェFW(RWG)25GIFスンズバル(スウェーデン1部)フリートランスファー
レアンドロ・モンタグドGK30クルトゥラル・レオネサ(スペイン3部)フリートランスファー
アルバロ・ブストスFW(LWG)24ポンテベドラ(スペイン3部)フリートランスファー
パブロ・バルカルセFW(RWG)26ポンフェラディーナ(スペイン3部)ローン
アレックス・ロペスFW(CF)25エストレマドゥーラ(スペイン2部)ローマ
アントニオ・サンチェスMF(CM)22CDミランデス(スペイン2部)ローン
フランコ・ルッソDF(CB)24ポンフェラディナ(スペイン2部)ローン
セルヒオ・モジタFW(RWG)26ラージョ・マヤダホンダ(スペイン3部)ローン
ストイチコフMF(CAM)25アルコルコン(スペイン2部)ローン
ブライアン・レイナFW(LWG)20バラカルドCF(スペイン3部)ローン
イゴール・ズラタノヴィッチFW(CF)21CDヌマンシア(スペイン2部)ローン
ルイス・デ・ガラレタMF(CM)26ラス・パルマス(スペイン2部)ローン
エンゾ・ロンバルドFW(LWG)22ラシン・サンタンデール(スペイン2部)ローン
ピエール・コルヌDF(LSB)22レアル・オビエド(スペイン3部)ローン

マジョルカは2019年夏の移籍市場で多くの選手の入れ替えがありました。また、上の表には書いていませんが、レンタルバックの選手もIN、OUTどちらにも多数存在します。レンタルバックの選手についてはまとめてありませんが、その点ご了承ください。

放出した選手がフリートランスファーやレンタルといったかたちで出ていきましたので、この夏に得たお金はそれほど多くないことが分かります。そのためか、補強にもあまりお金をかけていません。
市場価値の高い久保建英はやクチョ・エルナンデスといった若手有望株はレンタルでの加入となっており、即戦力として活躍を期待されます


予想布陣&メンバー

この記事を執筆している時点で、ラ・リーガはすでにリーグ戦4試合を消化しています。そのためここで紹介する予想布陣は1~4節のマジョルカの試合を参考にさせていただきます。

それがこちらです。↓

ここ4試合のRCDマジョルカのフォーメーション、メンバーなどを参考にしたうえで作成したメンバー表になっています。
ポジションごとの一番上にある黄色文字の選手は開幕からスタメンで起用されている選手です。

メンバー表を見ますとセンターフォワードのポジションに選手が溢れかえっているのが見て取れます。1トップのフォーメーションで戦う試合が多いマジョルカにとって2人ほど余剰人員になっているじゃないか、そう思う方もいるでしょう。
ですが、センターフォワードの選手にはサイドハーフ(ウイング)でプレーできる選手も数名います。ここ数試合、サイドで出場機会を得ている選手もいますし、マジョルカとしては問題にしていないでしょう。

また、中盤(ボランチ)の控え選手が少ないことも見て取れます。しかし、このポジション(ボランチ)はもともとフェバス(トップ下)やダニ・ロドリゲス(右サイドハーフ)といった別ポジションでスタメンを得ている選手が本職としているポジションです。
いざとなったらボランチでプレーできるレベルの高いプレイヤーが複数存在するため問題ないと思います


2019-20シーズンのRCDマジョルカ注目ポイント

続いて、ラ・リーガに昇格した2019-20シーズンのRCDマジョルカについて注目すべきポイントを紹介していきます。僕なりにまとめたRCDマジョルカの注目ポイントは以下の通りです。

RCDマジョルカ注目ポイント

・1部リーグ残留なるか?

・久保建英のプレー

以下からRCDマジョルカの注目ポイントを1つずつ解説していきます。

1部リーグ残留なるか?

昨シーズン(2019-20)のマジョルカは2部リーグで5位になり、その後の昇格プレーオフを制して見事昇格を果たしました。
しかし、1部リーグと2部リーグとではレベルが大きく異なります単純に選手のレベル差もありますし、その中でどのような戦術で戦うのかも重要になってきます。

ちなみに直近のマジョルカの試合(第4節アスレティック・ビルバオ戦)ではロングボール戦術がとられていました。前線には身長190cmと高さのあるブディミルがいますので、その選手にボールを当てて攻撃の起点を作ります
やはり世界トップレベルのリーグともなると守備の強度も高くなるため、無理してつなぐとリスクが伴うという判断なのだと思います。

戦力だけで見れば、厳しいシーズンになることが予測されるRCDマジョルカ。勝ち点を取れそうな試合ではしっかり3ポイントを取り、ビッククラブとの対戦では引き分け以上を狙って戦うことが求められます。

久保建英のプレー

日本人であれば久保建英についていろいろ気になりますよね。例えば、チーム内ではどういった位置づけなのか?監督やファンからの評価はどうなのか?ということなど。そういったマジョルカの久保建英についていろいろと解説していこうと思います。

まず、チーム内での久保建英の序列についてですが、正直に言いますと、高くもなく低くもないという状況です(ラ・リーガ第4節終了時点)。
久保建英が起用される右インサイドハーフやトップ下などのポジションはスタメンがほぼ定まっており、毎試合途中出場の久保建英は2番手、3番手に位置します

しかし、市場価値だけで見れば久保建英はチーム内でトップクラスの選手となります。選手の推定市場価値が把握できる『transfermarkt.com』というサイトでは、クチョ・エルナンデスと並ぶ1000万ユーロという位置づけです(チームトップ)。
さらに久保建英のマジョルカへのレンタル移籍が決定したのが、2019年8月22日ということで他の選手と比べて合流が遅かったのもありますまた、日本代表にも選出されチームを離脱していた時期もあったため、まだチームになじめていないという監督の判断もあるのだと思います
その点で久保建英のマジョルカでのキャリアはまだ始まったばかりですし、今後スタメンで起用される可能性も十分にあります。

続いて監督やファンからの評価についてですが、第4節終了時点では上々の評価を得ています。
PKを獲得したラ・リーガ第4節のアスレティック・ビルバオ戦では、試合終了後に「クオリティーのある選手だ。これから力を発揮していくだろう」とビセンテ・モレノ監督から高い評価を受けています


PKは結局、久保建英ではない選手(プラッツ)が蹴ったのですが、これを外しチームの勝利には貢献できませんでした。しかし、PKを獲得したというのは評価の対象になりますし、これをきっかけに徐々に出場機会が増えるかもしれません。

また、ファンからも「マジョルカのメッシ」などと言われるほどすっかり受け入れられているようです。


ここまで高い評価を受けているというのを知ると同じ日本人として非常に誇らしいですよね。今後も印象的な活躍を見せ続け、ファンからの厚い信頼を得られるような選手になっていってほしいです。

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まとめ

今回はRCDマジョルカ特集ということで夏の移籍市場、2019-20シーズンの予想布陣、注目ポイントを解説しましたがいかがでしたでしょうか。
2シーズン前までは3部リーグに所属していたクラブですが、2018-19シーズン2部リーグ昇格、2019-20シーズン1部リーグ昇格と勢いのあるチームです。また、夏の移籍市場では多数の選手が入れ替わりましたが、補強費用はそれほど多く費やしていません。フリートランスファーやレンタルで加入した選手が多くいますので、監督であるビセンテ・モレノはその選手たちを上手く束ねることができるかも注目のポイントです。
久保建英もレンタルで加入し1シーズンはマジョルカでプレーすることとなります。マジョルカでの成績は来シーズン、レアル・マドリードに戻った際に大きく影響するため活躍を期待したいところです。

2019-20シーズンのRCDマジョルカの試合は『DAZN』で楽しめます。ラ・リーガの試合は全試合生中継で楽しめますので、バルセロナやレアル・マドリードの世界最高峰の試合も視聴可能です。興味がある方はチェックしてみてください。

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