今回紹介するのはチェルシーに所属するフランス代表のエンゴロ・カンテです。
2018-19シーズンはサッリ監督のもとインサイドハーフで起用され53試合に出場。新たなポジションで素晴らしいパフォーマンスを見せました。
また2018年夏に開催されたロシア・ワールドカップではフランス代表で出場し、優勝に大きく貢献しています。
今回はそんなエンゴロ・カンテの生い立ちやポジション、プレースタイルを解説していきます。興味がある方はチェックしてみてください。
エンゴロ・カンテのプロフィール
名前:エンゴロ・カンテ
生年月日:1991年3月29日
国籍:フランス&マリ
チーム:チェルシー(背番号7)
身長:168cm
体重:71.5kg
利き足:右
ポジション:ミットフィルダー
エンゴロ・カンテは1991年生まれの現在(2019年時点)28歳のプレイヤーです。
生まれはフランスですが、カンテの両親がマリからの移民ということでフランスとマリの二重国籍となっています。
チェルシーでは背番号7を、フランス代表では背番号13を背負っています。
身長は168cmと小柄なプレイヤーです。
エンゴロ・カンテの生い立ち&プロキャリア
エンゴロ・カンテはフランスのパリ近郊にあるリュメイユ=マルメゾンという都市で生まれ育ちました。
リュメイユ=マルメゾンはパリから8km離れた場所に位置する地域で総面積の3分の1が緑地なのだそうです。パリなどのフランス主要都市に近い地域にあることから多くの企業(銀行や証券取引所など)が拠点を置いている場所でもあります。
このような地域で生まれ育ったエンゴロ・カンテですが、11歳の頃に父親を亡くしているそうです。カンテの母親は清掃員として働いていたそうですが、4人兄弟姉妹だったということもあり母親の収入だけでは生活費を賄うのが厳しく、カンテは若い頃からゴミを拾ってお金を稼いでいました。
幼少時代のエンゴロ・カンテはなかなか厳しい環境で育ったみたいです。
そんな中、1998年に行われたワールドカップでフランス代表が優勝したのをきっかけにエンゴロ・カンテはサッカーに興味を持ち始めます。
エンゴロ・カンテはそれから10歳の頃にシュレンヌというパリ郊外にある小さなクラブユースに加入することとなりました。
シュレンヌでは9年間プレーし、2010年からは当時フランス2部リーグに所属していたブローニュでプレーします。
ブローニュでは3部リーグへの降格を経験したものの、2012-13シーズン(フランス3部)に公式戦40試合に出場し、4ゴールをマークする活躍を見せます。
カンテのブローニュでの活躍が認められ、2013年には当時フランス当時2部リーグに所属していたカーンへの移籍が決まります。
カーン加入後のカンテは加入初年度から主力メンバーとして42試合に出場し、カーンのフランス1部リーグ昇格へ大きく貢献しました。
フランス1部リーグへ昇格したカーンではもう1シーズン(2014-15)プレーし、守備面で素晴らしい活躍を収めます。
カーンで守備的ミットフィルダーとして優秀な成績を収めたカンテは、2015年8月にはイングランドプレミアリーグに所属するレスター・シティへの移籍が決まります。
レスターのサッカーはエンゴロ・カンテのプレースタイルと見事にマッチし、加入初年度から主力として大活躍します。
特にディフェンスに優れ、エンゴロ・カンテはレスターのカウンターサッカーの起点となりプレミアリーグ優勝に大きく貢献しました。
カンテのレスターでの活躍を受け、2016-17シーズンにはプレミアリーグの強豪チェルシーへの移籍が決まります。
チェルシー加入後のエンゴロ・カンテは加入初年度から主力メンバーとして活躍し、2年連続のプレミアリーグ制覇を果たしています。
チェルシー在籍3年目となる2018-19シーズンにはサッリ監督のもとで公式戦53試合に出場(キャリアハイ)し、チームの中心選手として大きく貢献しています。
エンゴロ・カンテのポジション
エンゴロ・カンテは基本的に中盤の守備的なポジションで起用されるプレイヤーです。
ただ、2018-19シーズンのサッリ監督のもとでは4-3-3の右インサイドハーフで起用されています。
カンテとジョルジーニョのポジションを入れ替えた方が良いのではないか。そういった声もたくさんあったようですが、サッリ監督はカンテのアンカー起用を頑なに拒み続けていました。
エンゴロ・カンテのプレースタイル
エンゴロ・カンテのプレースタイル、ストロングポイントは以下の通りです。
・守備での予測&ポジショニング
・鋭いタックル
・豊富な運動量
それでは以下ではエンゴロ・カンテのプレースタイル、ストロングポイントを1つずつ解説していきます。
守備での予測とポジショニング
エンゴロ・カンテは守備における予測能力や危険なエリアをカバーするポジショニングの上手さが際立ったプレイヤーです。
具体的には以下の画像の通りです。
パスコースをあらかじめ把握しておき、パスをカットできる位置にポジションを取ります。
それから相手がパスを出した瞬間にボールを目掛けて走りこんだり、足を延ばしたりしてボールをカットするといったプレーが得意です。
また、手前にいるもう1人のプレイヤーにボールが渡ったとしても2対1の数的有利な状況を作れるポジション取りをしていてあらゆる状況に対応できるポジションを取れる選手です。
鋭いタックル
タックルの上手さもカンテのプレースタイルを語る上で欠かせない要素です。
足の運び方がうまく、しっかりボールにチャレンジしに行くためレッドカードをもらうような危険なプレーはありません。
2018-19シーズンは攻撃的なポジションで起用されていたため例年を下回るタックル成功回数でしたが、レスター時代やコンテ監督時代に守備的なポジションで起用されていた時期は驚異的な数字を残しています。
14-15(レスター時代) | 15-16(コンテ監督時代) | |
---|---|---|
1試合平均のタックル成功数(リーグ戦) | 4.8回 | 4.7回 |
毎試合約5回のタックルを決めているわけですから中盤はかなり安定します。
ちなみに何かと比較されるカゼミーロは調子が良いシーズンでも1試合平均約4回のタックル成功数ですので、数字だけを見ればエンゴロ・カンテの方が優れていることが分かります。
豊富な運動量
2018-19シーズンのエンゴロ・カンテははサッリ監督のもと右インサイドハーフで起用され前線からプレスを仕掛けに行ったり、攻撃参加するタスクを与えられていました。
その他にもジョルジーニョだけではカバーしきれないスペースをカバーしていたりとかなりの仕事量を与えられていた印象があります。
そのような難しいタスクを与えられながらも、2018-19シーズンのカンテは公式戦53試合に出場し、5ゴールをマークする活躍を収めました。
疲労も困憊していたようでシーズン終盤のワトフォード戦では膝を負傷しましたが、ヨーロッパリーグ決勝にはフルタイム出場。結局フル稼働したシーズンになりました。
エンゴロ・カンテの運動量については多数の監督、プレイヤーが称賛の声をあげています。
例えば2015-16シーズンレスター時代のラニエリ監督やレアル・マドリードに移籍したエデン・アザール、同国のジルーなどは「カンテはピッチ上で2人分の働きをしてくれる」とコメントしています。
エンゴロ・カンテは並外れたスタミナと献身性を兼ね備えたプレイヤーで、チェルシーでもフランス代表でも欠かせない存在と言われています。
まとめ
今回はエンゴロ・カンテの生い立ちやポジション、プレースタイルなどいろいろまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。
父親を早くに亡くし、厳しい生活を送ってきたエンゴロ・カンテ。
母親を支えるためにゴミをお金に換えていた少年が今ではチェルシーの中心プレイヤーとなりました。
カンテの幼少期のエピソードを聞いてしまうとなんだか応援したくなりますよね。
それからカンテからにじみ出る優しさも個人的に好きな部分なのでぜひいろいろな方に知っていただきたいです。